珈琲の香りで目を覚ます

昨夜のたばことウイスキーのにおいが
まだ口に残こる

窓の外ではこっちにおいでよと
春の風が誘いかける

もう少しだけ寝させてよ

無邪気な風は
部屋の中まで迎えに来る

時計の針も
風に味方する

わかった起きるよ
ホットサンドをつくろうよ
マスタードとピクルスいっぱい入れてさ

バターもたっぷり塗って
チェダーチーズとローズマリー
君が好きなものを何だって入れよう

水筒にフレンチプレスの珈琲も入れてさ
公園に出かけよう

こんなにもワクワクしてきたのに
スマホのアラームは何か言いたげ
太陽もなんでそうマジメなの

まばゆいくらいの日差しに背中を押され
後ろを振り返りながらタクシーを待つ

目黒川の桜のつぼみが色づく
都会の朝のにおい